...」と言い棄てて、直ぐに歩を移して、少し肩の昂(あが)ったのも、霜に堪え、雪を忍んだ、梅の樹振は潔い...
泉鏡花 「婦系図」
...玲瓏玉の如く潔い」斯く考へる事が春三郎に取つて此上無き慰藉であつた...
高濱虚子 「續俳諧師」
...真白な潔い雪の上に...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...そこには一点の塵気を止めようとしても止めることの出来ない潔い心持であった...
高浜虚子 「富士登山」
...まことに気性の潔い...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...潔いからだになったのだ...
太宰治 「駈込み訴え」
...潔い主張が一としてなかった事は限りなく淋しかった...
辰野隆 「芸術統制是非」
...……潔い悲痛な祈りの中には...
豊島与志雄 「湖水と彼等」
...一種の潔い貞節の盲目さがはいっている...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その潔い脣(くちびる)は再び閉じた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...名に負う武士らしい潔い最期だった...
永井隆 「この子を残して」
...潔いものを造った場所は潔いはずです...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...それにふさわしい高く潔いところに引き上げねばなりません...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...潔い人をも汚すといふかの憎悪(にくしみ)がもたらす所為を云ふものぞ...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...潔いものもあり、未練なものもあり、死態(しにざま)はいろいろだが、名を惜しむものは、一人で森の中へ入って縊れ、あるいは石を抱いて渕川に身を投げて死んだ...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...枝雀のやうな老大家が尾籠を云ひ放しであつたに引代へ春団治はいつの場合も「そんた不潔いこと云ひないな」と相手に否定させてかゝつた...
正岡容 「初代桂春団治研究」
...私自身も悪作家といわれた方がはるかに他の美名を貰うより潔い...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...潔い死をとげて行つたが...
吉川英治 「折々の記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??