...風に煽(あお)られて暗中に漂う湯の香(かおり)プンと鼻を打った時には...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...暗い夜路に漂うてゐる...
石川啄木 「鳥影」
...西の空に漂うてゐた...
今井邦子 「誠心院の一夜」
...若い花やかな世間を茶にする気分が全幅に漂うておる...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...麗(うらら)かな日影が畳のうえまで漂ういていた...
徳田秋声 「足迹」
...人々の目の前を漂うた...
徳田秋声 「新世帯」
...この池に漂うすべての女は...
中里介山 「大菩薩峠」
...眼前に漂うあの泡(あわ)んぶくを見て...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間の使用品の類も漂うて来ない...
中里介山 「大菩薩峠」
...この河底には一脈の哲学的憂鬱が漂うていたほどである...
中島敦 「悟浄出世」
...烟(けむ)りは椿の弁(はなびら)と蕊(ずい)に絡(から)まって漂う程濃く出た...
夏目漱石 「それから」
...風に漂う落葉のようなもろい男女のつながりだけで...
林芙美子 「晩菊」
...「ゴールドン・ピム」は氷山の漂う南極海を越えた彼方で...
久生十蘭 「南極記」
...四囲に漂う闇黒のために霊の表面を汚染されるというのは何と痛む可き事実であろう...
松永延造 「職工と微笑」
...おどろくべき立派な態度で良識を発揮しました)の千石船は黒潮にも赤潮にも摧(くだ)かれずに漂う力をもっていることを願って居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...深い意味が漂うと思われます...
柳宗悦 「益子の絵土瓶」
...一刻千秋のおもいで沖に待ち漂うておられましょう...
吉川英治 「私本太平記」
...茶のかおりが漂うと...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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