...渺茫(びょうぼう)たる碧い碧い海原とをしばらく眺めていた...
モオパッサン 秋田滋訳 「初雪」
...渺茫(びょうぼう)として際涯なく黒い海面は天に連なり...
押川春浪補 「本州横断 痛快徒歩旅行」
...江波(かうは)渺茫(べうばう)...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...そのほかには目に立った林もなく人家もなくただ渺茫(びょうぼう)として淋(さび)しく広い...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...川上の方は渺茫(びょうぼう)としたうすあかりの果てに没して何処までもつづいているように見える...
谷崎潤一郎 「蘆刈」
...これよりして太平洋はもちろん大西洋の両岸に対立する各都府の港湾よりあるいは地中海沿岸の市邑(しゆう)よりジブラルタルの海峡をもって大西太平の二大洋を通じて天水一髪雲濤渺茫(うんとうびょうぼう)の大道をば千百の蒸気船相来たり相去りたちまちジブラルタルの海峡よりわが港湾に至るまで一線の船橋を架するに至らん...
徳富蘇峰 「将来の日本」
...漁家櫛比し水田渺茫として海に連る...
永井荷風 「荷風戰後日歴 第一」
...前途は渺茫(びょうぼう)たる海原(うなばら)へ船を乗り入れて行くような感じもしないではないが...
中里介山 「大菩薩峠」
...渺茫(びょうぼう)として人煙を絶することは陸も海も同じようなる鹿島洋(かしまなだ)...
中里介山 「大菩薩峠」
...また彼方に渺茫たる海を見ようとして進み入ったものであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...或る人類學者は渺茫たる太平洋上に點在する之等の遺址(ミクロネシヤのみならずポリネシヤにも相當に存在する...
中島敦 「環礁」
...渺茫たる海洋がだん/\と眼前に展開する...
長塚節 「佐渡が島」
...渺茫(べうばう)たる海洋は夏霞が淡く棚曳いたといふ程ではないがいくらかどんよりとして唯一抹である...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...西方は渺茫(びょうぼう)たる大西洋に遮(さえぎ)られ...
新渡戸稲造 「東西相触れて」
...湖海の渺茫(びょうぼう)たる...
正岡子規 「俳諧大要」
...渺茫(びょうぼう)とした裾野(すその)と...
吉川英治 「神州天馬侠」
...――渺茫(びょうぼう)と長かった気もするし...
吉川英治 「新書太閤記」
...塩気のある水がじめじめしている池などの多い――渺茫(びょうぼう)たる平野だった...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??