...二葉亭も院本(いんぽん)や小説に沈潜して好んで馬琴(ばきん)や近松(ちかまつ)の真似をしたが...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...こうなって来ると主観の影が内に沈潜してまた客観写生の様相を備えて来るのである...
高浜虚子 「俳句への道」
...却ってその闇に沈潜し...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...門外不出、自己に沈潜する...
種田山頭火 「其中日記」
...彼が夢にも思わなかったほどの深い所へ沈潜したのだった...
豊島与志雄 「子を奪う」
...――そしてその一念のうちに沈潜しようとつとめた...
ユゴー・ヴィクトル Hugo Victor 豊島与志雄訳 「死刑囚最後の日」
...自分自身に沈潜して自分の思想の完全な表現のみをしか口にしたくない欲求を感じていたので...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...どう言ったらいいか……精力的な沈潜した悲哀……そんなものがあるとしたら...
豊島与志雄 「落雷のあと」
...長い間沈潜されてゐた女の感情が...
林芙美子 「風媒」
...深く沈潜した一種の風格を持っていて...
久生十蘭 「ノア」
...「左翼文学が今日沈潜期にあることを思って喧嘩すぎての棒ちぎりといった疚しさを抱かせられたが」云々と...
宮本百合子 「落ちたままのネジ」
...深い懐疑に沈潜する事も...
宮本百合子 「概念と心其もの」
...今は、この云われている押しというものは性質上、内向的なものであり、沈潜力の意味、自分の見きわめ方のギリギリ加減ということとしてわかり、そうすると、貴方の直感が健全なものにふれていることが、わかります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...昨今感じられているこの沈潜性が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...沈潜し規模のあるそういう生活感情こそ明日の文学の土台です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...今の勉強が沈潜しなくてはならないというのは実にそうね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...他の一方で既に常民の意識の底に沈潜したものを...
柳田国男 「海上の道」
...沈潜の不足となって現われる...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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