...期せずして皆出席簿に或手加減をする...
石川啄木 「葉書」
...期せずして、一人の女學生と三人の湯治客と來り加はり、『旅は路伴れ』の感、殊に深し...
大町桂月 「阿武隈川水源の仙境」
...部屋の空気は期せずして和(なご)やかになり...
太宰治 「乞食学生」
...期せずして他の二人が...
中里介山 「大菩薩峠」
...期せずして異曲同工なのであります...
中里介山 「大菩薩峠」
...舞臺の上へ固くなつた人達が期せずして平次に問ひかけました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なぜ藪(やぶ)や茨(いばら)が生えたか――と言うんだ」七つの提灯は期せずして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...期せずしてホッとした...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...期せずして一同の口から迸(ほとばし)った...
久生十蘭 「地底獣国」
...彼の眼と心とは期せずしてその食物の上に集中された...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...閉じた眉が開くばかりな……そのころは人々の心が期せずして自(おのずか)ら一致し...
二葉亭四迷 「浮雲」
...さうして皆の意見は期せずして...
堀辰雄 「小説のことなど」
...(十八日の夜で繁治さんのところにいたが)そこにい合わせた人が期せずして同じ気分を受けた...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ふたりは期せずして何かを思いあててお互いがそれの心持を隠し合っているらしかった...
室生犀星 「童話」
...期せずしてキリストのみ光りに深くひたるみ恵みに浴したようではあるが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...天産物や交通にめぐまれているので期せずして...
吉川英治 「三国志」
...期せずして、一鼓(いっこ)の下(もと)、城中からも、寄手からも、わっと武者声がわいた...
吉川英治 「新書太閤記」
...期せずして振りかえると...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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