...何か物に憧れるような焦立(いらだ)たしさを覚えるのも可笑(おか)しい...
岩本素白 「雨の宿」
...都会に憧れ、新しい知識を求めてやまぬ田舎の若者たちにしてみれば、私が東京の学校を卒業して帰ったというだけで充分興味があったのであろう...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...全丁抹憧れの人言々血を吐く手紙というのはこれを指すのであろう...
橘外男 「グリュックスブルグ王室異聞」
...まだいくらかはその憧れが満たされるような気がした...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...また何かしら未知の世界に憧れるというような...
豊島与志雄 「黒点」
...社会運動に憧れて...
豊島与志雄 「性格を求む」
...私は今ひとりここに立ってこのように憧れてるのに彼女はなぜはやくきて私を抱いてくれないのであろう...
中勘助 「島守」
...又生の自然的文化的段階に強ひて立留まり共同への憧れを強ひて抑へようとする...
波多野精一 「時と永遠」
...夢のやうに美しいが現実のやうにたしかな文体……私はこんな文体に憧れてゐる...
原民喜 「沙漠の花」
...芸界の芸には憧れずに...
牧野信一 「小川の流れ」
...柳暗花明の巷が憧れの的になつた! 君はどうだ?」「僕も...
牧野信一 「思ひ出した事(松竹座)」
...常々野の光りに憧れ...
牧野信一 「西瓜喰ふ人」
...フアシズムに憧れたといふよりも...
牧野信一 「岬の春霞」
...そのごとく寄席ファン時代はアベックで名人たちを聴くことに憧れつづけ...
正岡容 「わが寄席青春録」
...その憧れの吉沢先生が私のうたうのをお聴きになって「柴田さんはなんて綺麗な声でしょう...
三浦環 「お蝶夫人」
...言い難いもろもろの怨みや悲しみや、憧れが、どれだけ密かにその線を伝って流れてくるであろう...
柳宗悦 「民藝四十年」
...最も運動の選手に憧れを持つのは日本であろう...
横光利一 「欧洲紀行」
...彼等の遣瀬なき憧れ心を注いでゐる若い男達は...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
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