...一同は心ゆくまですべるのであった...
石川欣一 「山を思う」
...心ゆくまで勞つて下さる絶世の佳人と差し向ひになつて...
石川三四郎 「浪」
...心ゆくまで楽しく送らせて上げたいのです――...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「和製椿姫」
...その魂魄が金色の鯉となつて琵琶湖を心ゆくまで逍遙した...
太宰治 「魚服記に就て」
...郭公が多いのに驚きつつ心ゆくまでその声を聴いた...
種田山頭火 「草木塔」
...心ゆくまでこれに読み耽るのであつた...
平田禿木 「趣味としての読書」
...煙草を心ゆくまで吸い...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「悪の帝王」
...心ゆくまで書くがよい...
本庄陸男 「石狩川」
...美くしき少女の唇を心ゆくまで頒とう)おゝあの美くしい日を誰が返してくれるこれはゲーテが失った彼のヒューマニズムについての歎声だっただが僕は同じ首章をもって戦いの中に...
槇村浩 「青春」
...今は心ゆくまでにその翼をのばして...
水野仙子 「醉ひたる商人」
...「おれは彼(か)の鯉の胴体をしっかり心ゆくまで掴んで見たい願いをもっている...
室生犀星 「幻影の都市」
...私は姉に縋りついて心ゆくまで泣いた...
室生犀星 「幼年時代」
...夢の中でなければ興奮しないこの男の児との楽しみを心ゆくまで享楽したというのは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...心ゆくまで楽しませていた...
吉川英治 「上杉謙信」
...そしてこんどは心ゆくまで気が乗ッていた容子(ようす)のようであったが――“さざ波や志賀のみやこは荒れにしを...
吉川英治 「私本太平記」
...河内(かわち)の磯長(しなが)の里の叡福寺(えいふくじ)にある聖徳太子の御廟(ごびょう)へ参ることと、この六角堂へ籠って、心ゆくまで、感謝と、礼念(らいねん)をささげ、また、過去の追想からしずかに将来を考えてみたいということが、そもそも、こんどの旅の目的であったから――...
吉川英治 「親鸞」
...「新・平家物語」のさいごの場面は、やはり壇ノ浦ですかとは、よく人に訊(き)かれることであるが、自分の今の考えでは、壇ノ浦以後、椎葉山中のような平家村の生態までを、そしてある一時代に、平家文化を咲かせた人間の集団と大自然との融合(ゆうごう)までを、心ゆくまで、書いてみたいと思っている...
吉川英治 「随筆 新平家」
...花びらもまた春の日ざしの露けさを心ゆくまでに含み宿して...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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