...若しそれが多少なりとも諸君の參考になるならば自分の本懷である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...多少なりともこれに類した事実が作者の視聴内にあった乎(か)否乎は二葉亭はかつて明言しなかった...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...多少なりとも動くべき筈のところ...
海野十三 「恐竜島」
...多少なりとも同志間の連絡あるいは広告の機関に供するにあると思う...
大杉栄 「獄中消息」
...それが多数の健全なる理性の所有者にとっていわゆる芸術的価値を多少なりとも認め得られるとすれば...
寺田寅彦 「科学と文学」
...滅茶々々(めちゃめちゃ)になった彼の面目(めんぼく)が多少なりとも立つものとすれば...
徳田秋声 「仮装人物」
...この国の科学研究は多少なりとも活気を呈している...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...そしてこうした科学的文芸評論の多少なりともの新しい芽生えに対して(之は例外なくマルクス主義哲学の畑から萌え出るのだが)...
戸坂潤 「文芸評論の方法について」
...彼女はいままでに見せつけられなかった彼の態度から多少なりとも驚愕と嫌悪とを感じなかったのである――そうして彼女には彼自身へ向ける疑惑の心などは更にないのである...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...あの英雄がこの悪漢に多少なりとも恩を受けていること...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...日本語を多少なりともゆっくりわかり易く表現する場合の気息の生理的条件からそんな結果になったのであろう...
信時潔 「歌詞とその曲」
...多少なりとも先途の事を考える...
林芙美子 「新版 放浪記」
...演劇に多少なりとも関心を持つものなら皆...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「真劇シリーズ」
...当分の希望は多少なりとも目立たぬことだ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部秘話」
...多少なりとも彼を男として意識したならば女らしい慎しみを抱いたに相違ないのであるが...
牧野信一 「好色夢」
...多少なりとも文藝の作品に親しみを持つ人は...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...多少なりとも金を持っているようであった...
山本周五郎 「さぶ」
...「多少なりとも思慮のある者なら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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