...僕は民さんそれじゃ……と言うつもりでも咽(のど)がつまって声が出ない...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...唇は動かしているが声が出ない...
魯迅 井上紅梅訳 「故郷」
...声が出ない」男は両手を拡げた...
海野十三 「棺桶の花嫁」
...小さい声が出ないのであります...
海野十三 「二、〇〇〇年戦争」
...声をかけようとして声が出ない...
海野十三 「霊魂第十号の秘密」
...けれども依然として声が出ないのであった...
江見水蔭 「丹那山の怪」
...泣きたくても声が出ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...どう云うものかこの時ばかりは咽喉(のど)に物が痞(つか)えて思うような声が出ない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...キャッともスッとも声が出ないで...
長谷川時雨 「古屋島七兵衛」
...四月七日(土曜)咽喉がすっかり悪くなり、声が出ないから、「古川緑波風邪のため声出ず云々」といふ貼紙をして貰ふことにした...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...まるで又声が出ない...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...テンプラなどを食べた後は声が出ない...
宮城道雄 「声と食物」
...しきりと何か言おうとしても昂奮と疲労のために声が出ないのである...
三好十郎 「廃墟(一幕)」
...叫ぼうと思っても声が出ない...
シュニッツレル Arthur Schnitzler 森鴎外訳 「みれん」
...「これからも心配なことやいやなことがあったら、遠慮なくわたくしにそう仰しゃい」とおかあさまは続けた、「わたくしには初めから、すずさんが本当の娘のように思えていたのよ、あなたもわたくしを実の母だと思って下さるかしら」わたくしはおかあさまの膝を濡らしながら、声が出ないため、力いっぱいそのお膝にしがみついた...
山本周五郎 「やぶからし」
...「うぬは釘勘だな」「…………」釘勘は声が出ない...
吉川英治 「江戸三国志」
...しかし、声が出ない...
吉川英治 「大岡越前」
...わたしは口をきこうと思っても、声が出ない...
リットン Edward George Earle Bulwer-Lytton 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
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