...彼は戯作(げさく)の価値を否定して「勧懲(くわんちよう)の具」と称しながら...
芥川龍之介 「戯作三昧」
...しかしその調べと云ふ意味を十七音か否かに限るのは所謂(いはゆる)新傾向の作家たちの謬見である...
芥川龍之介 「発句私見」
...死ぬのは……否、死と雖ども新たに生きるの謂(いひ)だ...
石川啄木 「雲は天才である」
...否!リンゲル氏液内の生態生きている腸(はらわた)――なんてものは...
海野十三 「生きている腸」
...先ず愛嬢の安否を確めないではいられぬ...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...否、こればかりではない...
田山録弥 「黒猫」
...否、ナチュラリズムでも、デカタンでも、人道主義でも、またネオ・ロマンチシズムでも、すべてその一書肆の門戸から入って来たということは、今考えて見ると、不思議に思われた...
田山花袋 「日本橋附近」
...肯定の内に否定を見ることが...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...例えば「無い」と否定する時――「在る」と肯定する時ではなく――その尺度として用いる処のかの存在である...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...而して之を標榜しない者の中には懷疑主義を否認して居る者もあるのである...
朝永三十郎 「懷疑思潮に付て」
...夢に出た先祖の神託(しんたく)を拒否すれば...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...諸君は学識深遠なる蛸の存在を認容することが出来るであらうか? 否否否...
牧野信一 「「風博士」」
...われはその説明の當れりや否やを評することの無益ならざるを信ず...
森鴎外 「柵草紙の山房論文」
...否、それはすでに純工藝ではなく、ほとんど美術と同意義にさえなった...
柳宗悦 「工藝の道」
...去りながら博学畢竟拝むべき者なりや否や...
山路愛山 「明治文学史」
...友人たちは却(かえ)って否定的な気分になった...
山本周五郎 「青べか物語」
...否、むしろ讐敵(かたき)同士かも知れない……という驚愕すべき事実を、いとも儼然(げんぜん)と証拠立てている事になるではないか...
夢野久作 「暗黒公使」
...そうしてその苦しみを救い得んがために――否...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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