...殆(ほとん)ど取り柄のないものである...
芥川龍之介 「僻見」
...体も彼女は殆んど取り柄がない程悪かつたのであります...
伊藤野枝 「背負ひ切れぬ重荷」
...かの女が經濟向に一種の才を持つてゐるのは唯一の取り柄だ...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...こちらの厄介物が島田君の爲めに少しは取り柄があるのだから...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...まだしもそれだけ禪の取り柄だが...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...責めて五圓だけ減つたのを取り柄にでもするかね」と言つて淋しく笑つたが...
高濱虚子 「續俳諧師」
...髪の癖のないのも取り柄のように思えた...
徳田秋声 「足迹」
...主家の収入をぬすみてわがふところを肥やす気づかいなきがこの男の取り柄と...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...この認識論の唯一の取り柄は...
戸坂潤 「クリティシズムと認識論との関係」
...――それがいわゆる色男の愛情なのさ! まだぶん撲らないだけでも取り柄だが...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この室は他になんの取り柄もなかったが...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...そして鼻の良いのがこの男の取り柄です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なんの取り柄もないヤクザ者であった方が...
火野葦平 「花と龍」
...それが取り柄だけど...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...顔以外に取り柄がないのかもしれない...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...まるきり取り柄が無いと決まれば――...
三好十郎 「好日」
...だから別に何の取り柄もないバラモンの娘たちは...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...なんの取り柄もない...
吉川英治 「私本太平記」
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