...彼は今は却って、笠森判事の呼出しを待構える様にさえなった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...従ってそれはヨーロッパそのものであることが出来そうである(茲で彼自身は却ってヨーロッパ主義者であることを注意せよ)...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...却って部分が全体を或る意味に於て優越することが意識される...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...資本主義社会に於ては却ってその反対物に移行している...
戸坂潤 「技術の哲学」
...却って他の諸概念が物質概念として...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...実質に於ては却って文化の自由と同じものなのであって...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...却って通読又は翻読されることを目標とするものなのだ...
戸坂潤 「読書法」
...だがそれ故に却って...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...却って一番先にめざとくも彼を認めて...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...すると却って強い羞恥が私の方へ跳ねかえって来る...
外村繁 「澪標」
...却ってそれを喜んでるかとさえ思われるくらいで...
豊島与志雄 「神棚」
...僕には却って愉快だった...
豊島与志雄 「不肖の兄」
...数学者には却ってわかりにくいのだそうである...
中谷宇吉郎 「神仙道と科学」
...代助の方では却って父の変っているのに驚ろいた...
夏目漱石 「それから」
...お忠義ぶる女は却っていじめられますよ」小声で話していると...
宮本百合子 「刻々」
...私は却って逆に自分を批評することがあります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...矢代はそれを崩すのも却ってぎこちなくなりそうで...
横光利一 「旅愁」
...道三は却って微笑をふくんで...
吉川英治 「新書太閤記」
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