...仏(ほとけ)を刻む時ばかりでないと云ふ気がした...
芥川龍之介 「雑筆」
...馬車追(ひき)の老爺は丁度厩の前で乾秣(やた)を刻むところであつた...
石川啄木 「天鵞絨」
...煙草を刻む時には誰だってポケットナイフを使いますからね...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...それを更に彫刻に刻む時...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...何かの像を刻む時...
豊島与志雄 「常識」
...多くの伝説あるグロテスクを刻むことに慣らされた老石工も...
中里介山 「大菩薩峠」
...秒を刻む袂時計(たもとどけい)の音と錯綜(さくそう)して...
夏目漱石 「道草」
...文字を刻む針が腐蝕(ふしょく)させる液体をしたたらせていました...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「流刑地で」
...挽ききるにしろ、刻むにしろ、どうでも手に負えないというような代物じゃない...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それが深刻な印象を読者の心に刻むのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...わが草木とならん日にたれかは知らむ敗亡の歴史を墓に刻むべきわれは飢ゑたりとこしへに過失を人も許せかし過失を父も許せかしこれは彼がそのほど故郷に歸つて父の墓に詣でたをりの偶作で...
堀辰雄 「萩原朔太郎」
...退屈な機関の音を立てて刻むように進んで行く――...
牧逸馬 「沈黙の水平線」
...そして丸髷の震動が次第に細かく刻むようになると同時に...
森鴎外 「雁」
...自らの名を刻むにしては...
柳宗悦 「工藝の道」
...時を刻む秒読みのような音であり...
山本周五郎 「年の瀬の音」
...生活の一瞬(いっとき)一瞬を刻むがように...
吉川英治 「新書太閤記」
...尺地を刻むジリ押しにしか進み得なかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...凄惨(せいさん)な震動を刻むようにさせて...
吉川英治 「鳴門秘帖」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??