...反対に益々ややこしく不明瞭なものになって行く様に思われるのだ...
江戸川乱歩 「一寸法師」
...「本当に、どんなにされても、構わぬというのかね」扉を隔(へだ)てたせいか、ひどく不明瞭な、ボウボウという声が、答えた...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...またもや不明瞭な声で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...不明瞭なこの事件の動機です...
大阪圭吉 「死の快走船」
...私はこの意味の不明瞭な手品に見入っていた...
谷譲次 「踊る地平線」
...意識の不明瞭な蒔の身体を撫でさすり...
田畑修一郎 「鳥羽家の子供」
...明晰に認識せられるものを不明瞭なものから直別することに慣れるように...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...その折りまでに事件に依然として残っている若干不明瞭な点をみな洗ってしまいたい...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...彼は妙にきざっぽく齒で濾しをかけるような不明瞭な發音で...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...船籍の不明瞭なこの船へ...
中里介山 「大菩薩峠」
...自分の不明瞭な意識を...
夏目漱石 「それから」
...頭脳(づのう)の不明瞭な所から...
夏目漱石 「それから」
...錨会の逗子組をひとまとめにしてJBDM(ドイツ女子青年団日本支部)という意味不明瞭な団体をつくり...
久生十蘭 「だいこん」
...もし想像の観念の方がより弱くて不明瞭なのでないならば...
デイビッド・ヒューム David Hume 井上基志訳 「人間本性論(人性論)」
...此不明瞭な答弁が頗るもどかしいのであつた...
平出修 「公判」
...」「それや何んだい?」と久慈は不明瞭な矢代の云い方に腹立たしげに云った...
横光利一 「旅愁」
...しかも、それはいかなる政治上の運動にも、いかなる生活の転換に於ても、また、いかなる他国の思想の移植のときに於ても、この不思議な、不明瞭な、しかも、無類に誠実な精神の活動が、影響してやみません...
横光利一 「我等と日本」
...その不明瞭な態度を補うように...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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