...もぐもぐと舐りながら峠路を登って来る...
飯田蛇笏 「茸をたずねる」
...もぐもぐと食べ始めました...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...博士はひげの中から口をもぐもぐと動かして...
海野十三 「火星兵団」
...思わずその一片を口の中でもぐもぐもぐとやってみると...
海野十三 「不沈軍艦の見本」
...何か口の中でもぐもぐと胡麻化(ごまか)した返事をしただけで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...その先はもぐもぐと口を動かしただけで...
谷崎潤一郎 「細雪」
...もぐもぐと呟きはじめた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...一言もぐもぐとやるか...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...しきりにもぐもぐと唇を動かしていた...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...もぐもぐと口を動かしつつ...
直木三十五 「死までを語る」
...もぐもぐとうずくまって寢るようになった...
林芙美子 「美しい犬」
...畳に放つておいてももぐもぐと唇をうごかして一人で寝転んだまま遊んでゐてくれた...
林芙美子 「幸福の彼方」
...運転手の沢田は框(かまち)に腰を下して、弁当を開いたが、口の中に飯をふくみ、日頃から尖った口を余計尖らせて、もぐもぐと、小森さん、今日公会堂で矢橋村の皆田に会いましたよ、公会堂で何かの寄りがあって居る様子でしたが、私がトラックをとめると、その音を聞きつけたらしく、出て来て、帰って小森君に云ってくれといって、今後は絶対に唐人川尻に糞尿を棄てて貰っては困る、と言いました、何かしら、たいそう偉そうにして居りましたよ、と云った...
火野葦平 「糞尿譚」
...ただもぐもぐと嚼(か)んで嚥(の)みこむだけの手間しか要らなかつた...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...一坐の連中の方へ向けてそれが意味ありげにもぐもぐと動き出したといふのぢや...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...運悪く石の上だったものですから割れちゃいました」そんなことを言いながらそれを眼窩(がんか)へあててもぐもぐとしていたが...
北條民雄 「いのちの初夜」
...何となく、可哀そうになって、つい、うしろに近づいて、何かいいかけようとすると、子供の方で振り返ってニーッと笑ったが、その顔が、盗んで、遣り捨てにした、広海屋の赤んぼう――――やあ、おのれ! 迷い出て、恨みをいうか!と、睨(ね)めつけようとした途端、その子供の顔面が、急に、妙に歪んで、ぐたぐたと、伸び皺ばんだと思うと、浅間しく、ねじくれた、黄色い老人の顔――――見たような? どこかで、いつか? 遠い昔――と、考えをまとめかけた刹那、思いがけなく、その顔が、もぐもぐと、土気いろの唇をうごかして、――久しいのう、三郎兵衛――と、いいかけたようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ただもぐもぐと埒(らち)の明かぬこと夥(おびただ)しい...
山本笑月 「明治世相百話」
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