...でもむさぼる様な視線を私のこの顔中へ――それはもう本当に「ああいやらしいな」と思われる位に...
大阪圭吉 「とむらい機関車」
...かうして余生をむさぼることは苦しい...
種田山頭火 「其中日記」
...わたしはむさぼるように...
ツルゲーネフ 神西清訳 「はつ恋」
...鴛鴦のやうなお冠船はふわふわと湾内にねむつて濃い夢をむさぼる...
濤音 「うし」
...今のやつらは上にへつらって下からむさぼることばかり知っとる」今そこに当の敵のあるらんように息巻き荒く攻め立つるまだ無経験の海軍少尉を...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...むさぼるようにドミトリイのわめき声に耳をそばだてていた...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...理想を実現するにある位地をむさぼるのはいまだ真の理想とは思われぬ...
新渡戸稲造 「自警録」
...彼の眼は何かをむさぼるように...
原民喜 「永遠のみどり」
...どこから鋭い眼でむさぼるやうに見つめられてゐるのを感じて...
堀辰雄 「風景」
...おれがむさぼるような感受性で...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...せわしなく、むさぼるように、彼は自分の求めている例の二人のほうへ、視線を走らせた……始まってから、やっと半時も経ったか経たないかくらいなのに、宴(うたげ)のにぎやかさは、もう思う存分に募り切っていた...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トニオ・クレエゲル」
...むさぼる如き心持です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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室生犀星 「愛の詩集」
...一刻の午睡(ひるね)をむさぼるには寔(まこと)に絶好な場所だった...
吉川英治 「黒田如水」
...大睡(たいすい)一快をむさぼると曹操は忽然(こつぜん)...
吉川英治 「三国志」
...むさぼるように喰べている食欲にもそれは窺(うかが)われる...
吉川英治 「私本太平記」
...そんな小さい快味をむさぼることはどうでしょうか...
吉川英治 「新書太閤記」
...女の肉をむさぼるにも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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