...丘のつづきの草の上(へ)に白き光のまろぶかとふとしも動く物の影...
石川啄木 「詩」
...まろぶが如く馳せて其一室に導かれた...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...そいつを縫うようにして赤黒い零(しずく)の跡がポタリポタリ……三人は声を呑んでまろぶように跡をつけだした...
大阪圭吉 「三狂人」
...伏しまろぶ意にコヤルと言つている...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...聖アルバンスそしてゴオランベリイ――称号の耳に響く快さはどうだ? わが「ゴオランベリイの荘園」――という言葉が舌の上にまろぶ...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...途上たていしの山こえゆけば落葉松(からまつ)の木深き溪に鵙の啼く聲立石の淺山坂ゆかへりみる薄に飛彈の山あらはれぬ霧が峰うれしくも分けこしものか遙々に松虫草のさきつゞく山つぶれ石あまたもまろぶたをり路の疎らの薄秋の風ふく霧が峰は草の茂山たひら山萩刈る人の大薙に刈る八日...
長塚節 「長塚節歌集 中」
...おお! 何処までまろぶ...
長谷川時雨 「一世お鯉」
...まろぶが如く奥の方へ駆け込んでゆきました...
吉川英治 「江戸三国志」
...門のあたりの車ぎしりを知るやいな、小右京は、まろぶが如く、帳(とばり)の蔭から走り出た...
吉川英治 「私本太平記」
...駈けまろぶ...
吉川英治 「私本太平記」
...駈けまろぶばかり立ち去ってゆく...
吉川英治 「私本太平記」
...腹を見せた石亀のまろぶ地響きと同時に...
吉川英治 「新・水滸伝」
...つづいて雪の中を逃げまろぶ陸謙(りっけん)の影へ向って...
吉川英治 「新・水滸伝」
...湯隆もあとから一目散に馳けまろぶ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...まろぶように駈け込み...
吉川英治 「親鸞」
...「かようでござります、あの新川村(にいかわむら)へ托鉢(たくはつ)に廻りますと、いつかお師様がお寄りになられて、御勧化(ごかんげ)をしておやりになった、因果つづきでまことに不倖せな三日市の源左衛門夫婦が、私を見かけ、まろぶように、往来へ出て参りました」「む」「夫婦の申すには、聖人(しょうにん)様に、念仏の道を諭(さと)していただいてからは夫婦の気持もすっかり変り、家は明るく、良人はよく稼ぎ、病人も絶えて、近ごろは、以前のわが家(や)は、夢のようにおぼえ、朝夕(ちょうせき)、聖人様のお徳を拝んでおりまする...
吉川英治 「親鸞」
...十三絃のまろぶ音につれて聞える琴歌(ことうた)にしばし耳をすまし合った...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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