...ぽっかり、眼が醒(さ)めた...
海野十三 「空中墳墓」
...そこが大木の空洞のようにぽっかりと明いていて...
海野十三 「地獄の使者」
...ぽっかりと床に大きな穴があいていて...
海野十三 「少年探偵長」
...ぽっかりと眼を醒ました時には開け放たれた硝子窓の彼方からは美しい夏の朝の陽の光が射し込んで爽やかな風がそよそよとカーテンを弄(もてあそ)び窓の上のカーネーションの葩(はなびら)に戯れて眠り足りた私の頬に心地よく触れていった...
橘外男 「逗子物語」
...ぽっかり穴が開いてるな...
豊島与志雄 「庶民生活」
...その耳朶がぽっかり覗き出していた...
豊島与志雄 「人の国」
...ぽっかりと夜空に泛び上り...
西尾正 「陳情書」
...ぽっかりと、かたく盛りあがった二つの乳房が、久留米餅の仕事着の下で、かすかに息づいている...
火野葦平 「花と龍」
...ぽっかり口をあけている...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...夏になるといつもぽっかりと円い紫の花を咲かせているのを毎年何気なく見過ごしていたが...
堀辰雄 「幼年時代」
...ぽっかり空いた割れ目からラルフが救いの手をさしのべている...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
......
槇村浩 「明日はメーデー」
...ぽっかりと東の空にうかんで...
槇本楠郎 「月夜のかくれんぼ」
...また女の子はぽっかりと目をあけた...
室生犀星 「音楽時計」
...ぽっかりと浮いているのでした...
室生犀星 「寂しき魚」
...そこだけぽっかりと音のない世界が穴をあけたように...
山川方夫 「その一年」
...心待ちにする影は来ないで思わぬ影がぽっかりと現われたり...
吉川英治 「江戸三国志」
...視力の鈍った左の眼一つで、遠近さえ判然とせぬ病室の天井を、ジッと凝視(みつめ)ていると、その中に、ぽっかりと、心持ち頬をこわばらした「おんな」の顔が写った...
蘭郁二郎 「夢鬼」
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