...「くれぐれも脱心(ぬかる)なよ...
泉鏡花 「活人形」
...ぬかるみが出来てゐた...
薄田泣菫 「独楽園」
...困ったところで泥濘(ぬかるみ)が往来に存在している間は仕方がない...
高浜虚子 「丸の内」
...わすれられたざくろが一つ(改作再録)・笹原の笹の葉のちらつく雪・雪ふりつもる水仙のほのかにも・かすかな音がつめたいかたすみ・茶の木の雪のおのがすがた・投げだしてこのからだの日向・どうすることもできない矛盾を風が吹く・つい嘘をいつてしまつて寒いぬかるみ三月十四日まつたく春だ...
種田山頭火 「其中日記」
...・生きてゐるもののあはれがぬかるみのなか・いつも馬がつないである柳萠えはじめた・猫柳どうにかかうにか暮らせるけれどぬくい雨でうつてもついても歩かない牛の仔で・焼芋やいて暮らせて春めいた・監獄の塀たか/″\と春の雨ふる・病院の午後は紅梅の花さかり・ずんぶりと湯のあつくてあふれる(湯田温泉)・早春...
種田山頭火 「其中日記」
...ねむれない夜の百足が這うてきた這うてきて殺された虫の夜がふける日だまりの牛の乳房草の青さで牛をあそばせてゆふべ・てふてふつるまうとするくもり暮れてふるさとのぬかるみをさまよふ五月四日放下着...
種田山頭火 「其中日記」
......
鶴彬 「鶴彬全川柳」
...足の前に泥濘(ぬかるみ)があった...
夏目漱石 「三四郎」
...泥濘(ぬかるみ)にて道悪し...
林芙美子 「新版 放浪記」
...今さら世上に媚をうりて初一念の貫ぬかるゝとも...
一葉 「暗夜」
...だから雨など降るとひどいぬかるみが出来て...
北條民雄 「癩院記録」
...夜中のから風がぬかるみをかわかしてくれた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...悪いぬかるみのなかを駆け出した...
水野葉舟 「帰途」
...――(『ぬかるみの街道』に発表 『百田宗治詩集』を底本)...
百田宗治 「露西亜よ汝は飛ぶ」
...顔がぬかるみへ埋まったとき...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...好き好んで泥濘(ぬかるみ)を撰(よ)って寝ころびたくはないでしょ...
夢野久作 「二重心臓」
...急坂のぬかるみや...
吉川英治 「私本太平記」
...ぬかるみでも凸(でこ)ぼこな道でも走破してゆく風の快味がわからない...
吉川英治 「随筆 新平家」
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