...この一夜(ひとよ)はとりもなおさず...
魯迅 井上紅梅訳 「村芝居」
...とりもなおさず一家の警戒係をつとめているわけだった...
海野十三 「空襲下の日本」
...鏡の中の自分が動いて、その前に立っている筈の自分が動かないということは、とりもなおさず、鏡の前に立っている乃公の本体が既に死んでしまっているのだという事実を証明することになるではないか...
海野十三 「不思議なる空間断層」
...その所業はとりもなおさず盗むことにあたるゆえ「財産は盗品なり」と言うたプルドンの言葉は苔虫の国には実際そのままにあてはまるのである...
丘浅次郎 「理想的団体生活」
...それはとりもなおさず俳句ということについての議論だと思われる...
高浜虚子 「俳句の作りよう」
...壁はとりもなおさず壁なんですよ……しかじか云々』ええじれったい...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...――いったいそのやましい良心というのが、とりもなおさず、化膿した虚栄心にほかならぬというわけだろうか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「道化者」
...それはとりもなおさずわたしたちが女として生きる一生の歴史そのものではないだろうか...
宮本百合子 「明日をつくる力」
...この問題の具体的な、日常的な解決は、とりもなおさず、芸術における政治の優位性に対する正しい階級的理解なしにはあり得ないのである...
宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
...ケーテ・コルヴィッツの画業が、ナチスのものでありえなかったということは、とりもなおさず、彼女の生涯と芸術が戦争に反対し、人民の窮乏に反対する世界のすべての人々の宝であることを証明したのであった...
宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
...そのための必要な文学行動はとりもなおさずジャーナリズムを支配しようとしているのと本質においてはひとしい巨大資本による挑発とたたかって理性を防衛する行動であるという実質を理解して来ている...
宮本百合子 「五月のことば」
...とりもなおさずお玉さんを愛する情愛になるような気がするのであった...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...「とりもなおさずお前たちの筋肉と血脈だぞ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...とりもなおさず人間の学問の確立という...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...とりもなおさず山治家の津留の叫びである...
山本周五郎 「思い違い物語」
...とりもなおさず自身...
吉川英治 「私本太平記」
...貴方が妾をスラブ民族みたいに取扱うのはとりもなおさず妾を馬鹿者あつかいにしている証拠です...
吉行エイスケ 「孟買挿話」
...それはとりもなおさず私にとって『死』なのです...
蘭郁二郎 「歪んだ夢」
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