...……殿様の褥に大あぐらをひっかき、酒を持って来いの、小鉢だのと、女賊を顎で追いつかい、しなだれるやら、色眼をつかうやら、恐れげもなく殿様の御定紋入りの羽織など着くさって、おれがここに控えておれば、金蔵破りのほうはいっさい心配はいらぬと大仰(おおぎょう)な頬桁(ほおげた)をたたいておったのを、わしはたしかにこの耳で聞いたぞ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...なんのつもりでこんな装束をし、小夜更けの庭先なぞへ出て来たのかとたずねると、「あなたはご存じなかったでしょうが、妹めはとんだ猫かぶりで、評判どおり、谷戸の貧郷士を呼びこみ、抱きつくやら、しなだれるやら、さんざんな放埓をするのです...
久生十蘭 「うすゆき抄」
...恥かし気にしなだれる...
夢野久作 「二重心臓」
...女郎花(おみなえし)の黄いろい穂がしなだれる...
吉川英治 「親鸞」
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