...我が四畳半を蓋(おほ)へる紙天井も亦(また)こよなく趣味深き珍らしきものなり...
石川啄木 「閑天地」
...「ごらんなさい、この布れを――お前が学問を中途にやめるのも、この織物を中途でやめるのも、結果は同じですよ」孟子は、母が夜もろくろく寝ずに織った、この尊い織物が、まだ完成をみないうちに断(き)られたことを、こよなく悔いた...
上村松園 「孟母断機」
...一人のこよなく美しい女...
リットン・ストレチー Lytton Strachey 片岡鉄兵訳 「エリザベスとエセックス」
...こよなくその書物を尊び...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...ただそれしきのものがこよなく美しく目ざましい...
中勘助 「胆石」
...こよなく愛した人ばかりだ...
野村胡堂 「胡堂百話」
...八五郎をこよなくロマンチックにしてしまいます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...こよなく幸福な気分で家へ帰ると...
ニコライ・ゴーゴリ 平井肇訳 「外套」
...あのこよなく美しい薔薇いろの罌粟(けし)が神授(めぐみ)の朝露で沐浴(ゆあみ)ををへて鮮やかに燃えながら...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...その大切な黒髪を少女心のこよなくいたはる心持を詠んだ歌であるが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...山に来てこよなく心慰めば慰む儘に恋しきも君家にあつて嘗めたこの四十日程の苦しさ辛さから逃れて山に来たが...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...近在の人民にはこよなく怖れられ...
牧野信一 「ゼーロン」
...物資に依つて購ひ得られる享楽はこよなく楽しい...
牧野信一 「途上日記」
...このあいだまでは華やかな暮春の果樹園のみをこよなく愛した自分だが...
正岡容 「随筆 寄席囃子」
...はかないその日のうれしさを今か今かと涙ながらに待ちながら――大正三年九月二十六日こよなく尊き 宝失える 哀れなる姉小霧降り虫声わびて我が心悲しめる夜の最中(一)私は丁度その頃かなりの大病をした後だったので福島の祖母の家へ行って居た...
宮本百合子 「悲しめる心」
......
室生犀星 「抒情小曲集」
...感ずることこよなく深きわざなるが故に...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
...「こよなくあはれ深き」...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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