...顔の※(あか)い男は盛相の蓋(ふた)に玄米(げんまい)で焚(た)いてあるぐたぐたの飯を分け...
田中貢太郎 「岩魚の怪」
...中年作家のつかれてぐたぐたになつた作などよりはこちらの方がどんなに好いか...
田山録弥 「三月の創作」
...ぐたぐたした派手なそのお召姿が...
徳田秋声 「仮装人物」
...身体(からだ)が倦怠(だる)くてぐたぐたになりました...
夏目漱石 「こころ」
...ぐたぐたになった宵子の様子に...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...ぐたぐたして抱き慣(つ)けない男に手なんか出せやしないじゃないか」実際赤ん坊はぐたぐたしていた...
夏目漱石 「道草」
...彼女はぐたぐたして手応(てごた)えのない赤ん坊を手際よく抱き上げて...
夏目漱石 「道草」
...ぐたぐたの感がある...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...終(をは)りには頭(あたま)朦朧(もうろう)として體(からだ)はぐたぐたになつてしまつた...
南部修太郎 「麻雀を語る」
...いやな面だ」笑子はぐたぐたと坐り込んで...
久生十蘭 「魔都」
...泳ぎ疲れてぐたぐたしてゐるせゐか...
牧野信一 「女優」
...なんとからだが疲れてぐたぐたになっていることか...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...何となく、可哀そうになって、つい、うしろに近づいて、何かいいかけようとすると、子供の方で振り返ってニーッと笑ったが、その顔が、盗んで、遣り捨てにした、広海屋の赤んぼう――――やあ、おのれ! 迷い出て、恨みをいうか!と、睨(ね)めつけようとした途端、その子供の顔面が、急に、妙に歪んで、ぐたぐたと、伸び皺ばんだと思うと、浅間しく、ねじくれた、黄色い老人の顔――――見たような? どこかで、いつか? 遠い昔――と、考えをまとめかけた刹那、思いがけなく、その顔が、もぐもぐと、土気いろの唇をうごかして、――久しいのう、三郎兵衛――と、いいかけたようだ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...古い繩のやうにぐたぐたに紺地を褪まして...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...骨身がぐたぐたになるような気持だったからな」彼は自分に頷いた...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...万一妾がモトの通り前の左側のステップに立っていたらキット払い落されてぐたぐたにタタキ付けられたに違いないのよ...
夢野久作 「少女地獄」
...もういつもならぐたぐたなの...
横光利一 「上海」
...ぐたぐたになった真紀子の身体が...
横光利一 「旅愁」
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