...おいたわしいお首(つむり)をお下げなすったままうすら寒い風の中にひとり立っておいででした...
有島武郎 「燕と王子」
...ああ、おいたわしいな...
泉鏡花 「婦系図」
...おいたわしい儀でござる」とだいおんに呼ばわりましたので...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...おいたわしいことじゃ」妙覚寺に妙心房といって評判の高い僧があった...
中里介山 「法然行伝」
...他から拝見しておいたわしいようで...
野村胡堂 「裸身の女仙」
...「おいたわしいことです」長い沈黙が...
久生十蘭 「墓地展望亭」
...おいたわしい――ご家老」「何です?――」と阿賀妻はひらき直った...
本庄陸男 「石狩川」
...寄託を受けた自分が不誠実者になったことでもお気づかわしさが倍加されておいでになるであろうのがおいたわしいと院はお思いになった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まあ、おいたわしい事...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...またおいたわしい限りでもある...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...当地におきましてのおいたわしい御日常は...
山本周五郎 「泥棒と若殿」
...「ひとめ会いたいという気持もおいたわしいし...
山本周五郎 「日本婦道記」
...「おいたわしいと...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...わたくしなどの眼にもおいたわしいくらいです」甲斐は黙って低頭した...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...――なんというおいたわしいことを...
山本周五郎 「若き日の摂津守」
...劉予州(りゅうよしゅう)様かよ」「おいたわしい事ではある」と...
吉川英治 「三国志」
...ア――おいたわしい! とおもわず睫毛(まつげ)に涙のさす顔をそむけて...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「おいたわしい」と...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索