...あるいはその物々しい忠義呼(よば)わりの後に、あわよくば、家を横領しようとする野心でもあるのかも知れない...
芥川龍之介 「忠義」
...あわよくば自分の要求すべき資格のないものを家族のものに要求しようとするのを見つけだすと快くなかった...
有島武郎 「星座」
...あわよくばその儘(まま)でいたい...
太宰治 「風の便り」
...あわよくば外国船に乗りこんで...
壺井栄 「二十四の瞳」
...彼が単身敵陣を窺(うかが)ってあわよくば単于と刺違える所存に違いないことを察した...
中島敦 「李陵」
...あわよくば再び女までも手に入れることが出来るかもしれない」いったい昔から生蕃が出草(首伐り)するのには...
中村地平 「霧の蕃社」
...あわよくば水の中で打ち殺し...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あわよくば三千五百石の殿様を抱いて自首する積りで...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...またあわよくば両者を識別しようとしている批判者の眼を欺いてやりたいという...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...学問としてはまだ格別の成育を遂げてはおらぬが、是を書き残しておけば、少しは後の人の捜索の労を省くであろうし、あわよくば一、二の重要なる問題の手がかりを、今生において捉え得る機会に恵まれるかもしれない...
柳田国男 「海上の道」
...あわよくば一曲御所望を云わせてやろうと思う甲種熱心家が「でも高尚ではありませんか」と切り込むと...
夢野久作 「謡曲黒白談」
...この曹操が都をあけていた折はあわよくば洛内に軍を進めんとうかがったりしながら...
吉川英治 「三国志」
...生きるからには婆娑羅に世をたのしみ、あわよくばまた、天下も取りたい」と、空嘯(そらうそぶ)く者なのかもしれない...
吉川英治 「私本太平記」
...だが、慾(よく)のふかい呂宋兵衛は、もう南蛮寺を拝領(はいりょう)したようなつもりで、すっかりここに根を生(は)やし、またボツボツと浪人者(ろうにんもの)を山内(さんない)へあつめて、あわよくば、一国(こく)一城(じょう)の主(あるじ)をゆめみている...
吉川英治 「神州天馬侠」
...「あわよくば!」と...
吉川英治 「新書太閤記」
...で、初めから、かれの加担の押売りを、そう買いかぶってはいなかったが、あわよくば、北陸に働かせて、俗にいう、桂馬(けいま)の高飛び――のおそれはあるが、持ち駒の一ツに利用しておこうとしたのは事実だった...
吉川英治 「新書太閤記」
...あわよくば御帰参がかなうかもしれぬし...
吉川英治 「死んだ千鳥」
...あわよくば地方の豪族の客となり...
吉川英治 「宮本武蔵」
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