...此があやかしの憑(つ)いたはじめなのよ...
泉鏡花 「印度更紗」
...あやかしだからそうは行かねえ...
泉鏡花 「海異記」
...あやかし火さ、まだ舵に憑(つ)いて放れねえだ、天窓(あたま)から黄色に光った下腹へな、鮪縄(まぐろなわ)さ、ぐるぐると巻きつけて、その片端(かたはじ)を、胴の間の横木へ結(ゆわ)えつけると、さあ、念ばらしだ、娑婆(しゃば)か、地獄か見届けて来るッてな、ここさ、はあ、こんの兄哥(あにや)が、渾名(あだな)に呼ばれた海雀(うみすずめ)よ...
泉鏡花 「海異記」
...恐しいあやかし火とやらだの...
泉鏡花 「海異記」
...次に妹(いも)阿夜訶志古泥(あやかしこね)の神九...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...しかもなほあやかしの持つ強烈な霊の力を頼みとする者の哀れさがある...
高村光太郎 「能の彫刻美」
...余吾之介はその魍魎(あやかし)をかきのけるように...
野村胡堂 「十字架観音」
...余吾之介はそのあやかしの中に三日も一緒にいて...
野村胡堂 「十字架観音」
...際限もなくお世辭と媚(こび)のあやかしの糸を投げかけるのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前さんには綺麗なあやかしがついているんだね...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あやかしの鼓(つづみ)」の由来を書いていい時機が来たから……「あやかし」という名前はこの鼓の胴が世の常の桜や躑躅(つつじ)と異(ちが)って「綾(あや)になった木目を持つ赤樫(あかがし)」で出来ているところからもじったものらしい...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...「『あやかしの鼓』というのがこちらにおありになるそうですが……」妻木君の笑顔がフッと消えた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...あの鼓の初めの持ち主の名が綾姫といったもんですから謡曲の『綾の鼓』だの能仮面の『あやかしの面』などと一緒にして捏(でっ)ち上げた碌(ろく)でもない伝説なんです...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...けれどもそれと同時に若先生と私の膝の前に転がっている「あやかしの鼓」の胴が何でもない木の片(はし)のように思われて来たのは...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...「あやかしの鼓」――何という謎のような世界であろう...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...「あやかしの鼓」の皮は...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...そんなにまで私の気持ちは純になっているのですよ……只あの『あやかしの鼓』だけは置いて行きます……可哀そうな妻木敏郎のオモチャに……敏郎はあれを私と思って抱き締めながら行きたいところへ行くでしょう」私は両手を顔に当てた...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...それから暫くして「あやかしの鼓」を箱ごと抱えて高林家を出た...
夢野久作 「あやかしの鼓」
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